- text and edit by
- Julia(周虹)
こんにちは。ジュリアです。
皆さんはコロナ禍のイベントごと、自宅でどう過ごされていますか?私はエンタメや企業コミュニケーションスペース企画の経験を活かして、おうち時間も自分なりに企画を立てて過ごしています。今回は夫の誕生日のためにこだわった自分流ティラミス作りをご紹介します!
すべては「あと、ティラミスも。」から始まった
夫の誕生日まで、あと二週間ほどになったある日のこと。
我が家の誕生日は、外食ではなく家で食べたいものをお互いに作ってあげるのが恒例なので、夫に何を食べたいか聞いてみました。
夫の返事は、「お得意のカルボナーラ。」とのこと。
カルボナーラは私の十八番なので、
「お、やっぱりそうだ。いつものやつね!任せとけ!」
と、楽ちんだなと思いながら返事をしました。
しかしそのあと、「あと、ティラミスも。」と、しれっとメニューを追加されました。
私の手作りの、美味しいティラミスを食べたいとのこと…
「作ってと言われても、中国人の私にイタリアのデザートを作らせるって…そんな難しいもの…ひどい…」
我が家には泡立て器もないし、ティラミスはそもそも家で作れるものとは考えたことがなく、いろいろな言い訳が口からウワーと出てきました。
それでも夫は、
「泡立て器なら、離乳食ブレンダーセットに付いているじゃない?」
などと淡々と返すので、私も
「あっ、そうだったね…」
と承諾してしまいました。
誕生日の人のリクエストを叶えるのが一番なので、仕方がないと思いつつ、まずはレシピの検索をしてみました。
レシピ通りに作ってみたけど…
レシピ検索アプリで「ティラミス 簡単」と入れて検索してみたら、なんと1600件以上のレシピがヒットしました。
しかもレシピはいろいろなパターンがあり、使うチーズがマスカルポーネだったり、クリームチーズだったり。スポンジケーキの代わりにカステラや、ビスケット、クッキーを使ったものや、ラム酒のありなし…などなど
あまりにもパターンが多すぎて、見ているだけでめまいがしそうでした。
誕生日当日に、うまく作れる自信もなく…本番前に、試作品を作ってみることにしました。
私にとって、初めてのティラミス作りです。
まずはレシピ通りに、以下の順番に材料を重ねて作ってみました。
上から、
⑤ココアパウダー
④クリームチーズ×生クリーム(2層目)
③コーヒーを染み込ませたスポンジケーキ(2層目)
②クリームチーズ×生クリーム(1層目)
①コーヒーを染み込ませたスポンジケーキ(1層目)
さあどうだろう。と、夫と一緒に試作品を食べてみました。
気になる夫の感想は「まあまあかな」という微妙な返答…
私も食べてみましたが、確かに、まあまあ美味しいけど、特別感動もない味に仕上がっていました。
確かにこれは、自分の好みというよりは、あくまでレシピの味(他人の味)です。例えば、使ったスポンジケーキは甘めだったので、コーヒーを染み込ませたスポンジケーキ2層の甘さと苦さが共に強く、食べていて重く感じました。
用いるチーズも家にあったクリームチーズにしましたが、酸味がやや強く、ココアとの相性がいまひとつ…という印象でした。
せっかくの誕生日なのに、このティラミスではあまり喜びと感動を感じないよなぁ、どうしたら我が家の味の、唯一無二のティラミスを作れるのかな…
そんな悩みから、ティラミスについてもっと深く調べてみることにしました。
もっとティラミスを知りたい!
そもそも、ティラミスは何語なのか?名前の由来や歴史は?
基本的な情報から調べてみました。
ティラミス/tiramisù
イタリアのお菓子で
「tira」が「引っ張って」、「mi」が「私を」、「sù」が「上へ」
直訳すると「私を引っ張り上げて」ですが、意訳すると「私を元気付けて」になります。
材料に含まれるエスプレッソがカフェインを含んでおり、また、ティラミスに使用されるマスカルポーネチーズは乳脂肪分が約80%と高カロリーで、人々の活力源だったようです。
出所:ナカアカリ「ティラミスの歴史」より
なるほど、ティラミスは人を元気にするデザートだったのですね!
本来のレシピをそのままコピーするよりは、家族が好きな材料を組み合わせて、好みの甘さと苦さのバランスをアレンジしてみれば、我が家オリジナルのティラミスを創り上げられるではないか?家族に元気を与えられるのではないか!?と考えました。
もちろん、あまりに手順が多すぎると疲れてしまうので、基本的には楽ちんなやり方で、ブラッシュアップしたオリジナルのティラミスレシピを作ってみました。
家族が喜ぶティラミスを作るには!
★考え方★
ティラミスの三要素「チーズクリーム」、「コーヒーを染み込ませたスポンジケーキ」、「ココアの粉」の材料や重ね順を、自分の好みでアレンジすること。
※チーズクリーム:チーズをベースとしたクリームのこと。ここでは選んだチーズを生クリームと混ぜた状態のクリームを言います。
1、チーズと生クリームを選ぶ!
エスプレッソやココアなど、苦みの強い材料を使うため、全体のバランスを考えて、やや酸味のあるクリームチーズより、まろやかでクリーミーなマスカルポーネチーズにします。
また、罪悪感なくたっぷり食べたいので、生クリームは低脂肪でありながら、しっかりホイップができるタイプを選びます。
2、エスプレッソを淹れる!
コーヒーは市販のものでも良いのですが、濃厚さとコクがほしいため、直火式エスプレッソマシン「マキネッタ」でエスプレッソを淹れることにしました。
3、スポンジケーキの代わりに塩味あるビスケットとカステラを!
試作品にスポンジケーキを2層入れたら重く感じましたし、市販のものが大きいので余ってしまって消費しきれない問題がありました。今回は甘さを控える大人の味を生み出すために、一番下の層は塩味が付いたシンプルなビスケットにして、真ん中の層をふんわりしたカステラにしてみます。
★材料★
① マスカルポーネチーズ 200g
② カロリー1/3カットフレッシュ 200ml
③ てんさい糖 15g
④ 少し塩味あるミレービスケット 適量(タッパーに敷く2層分)
⑤ エスプレッソコーヒー 適量(ビスケットとカステラに染み込ませる分)
⑥ 市販のカステラ切り落とし 1パック
⑦ ココア 適量
※材料:左上から、マスカルポーネチーズ → カロリー1/3カットフレッシュ → てんさい糖 → ミレービスケット → エスプレッソコーヒー → ココア → カステラ
★作り方★
① マスカルポーネチーズを常温に戻します。
★ポイント:マスカルポーネチーズも種類が多く、今回はイタリアから輸入された芳醇な香りとコクのあるタイプにしました。
② マキネッタでエスプレッソを淹れて、冷ましておきます。
③ 大きなボウルに生クリーム(カロリー1/3カットフレッシュ)とてんさい糖を入れて、泡立て器で角がピンと立つくらいホイップします。(※写真)
★ポイント:てんさい糖の影響で、ホイップが真っ白ではなくクリーム色になりますが、ティラミスのトーンにマッチしているし、温かみを感じられるので、これはこれで私は好きです。ここで好みの甘さに調整していきます。
※ステップ③写真
④ チーズクリームを作ります。やわらかくなったマスカルポーネチーズを少しずつ入れて、泡立て器で混ぜ合わせます。
★ポイント:混ぜ合わせた後、すぐに使わない場合は冷蔵庫に入れて冷やしておきましょう。常温で放置していると溶けてヌルヌルになってしまい、形を整えにくくなってしまいます。
⑤ 家にあるタッパーにミレービスケットを2層ぐらいに並べて、冷めたエスプレッソを染み込ませます。今回は正方形15cm、高さ5cmのタッパーを使いました。(※写真)
★ポイント:ビスケットの食感を残したい場合、エスプレッソはあまり大量に入れないほうが、心地よい食感を残せます。
※ステップ⑤写真
⑥ ビスケットの上にチーズクリームを乗せて、ゴムヘラで表面をならします。(※写真)
※ステップ⑥写真
⑦ カステラの厚みを約1cmにカットして、チーズクリームの上に敷き詰めます。(※写真)
★ポイント:タッパーの高さに合わせて、カステラの厚みや、各層の厚みを調整します。今回使ったタッパーの高さは5㎝なので、下から順番に、
ビスケット:1㎝ → チーズクリーム 2㎝ → カステラ 1㎝ → チーズクリーム 1㎝
になるようにしました。
※ステップ⑦写真
⑧ カステラにエスプレッソを満遍なく染み込ませます。(※写真)
※ステップ⑧写真
⑨ その上にまたチーズクリームをたっぷり乗せて、表面を平らにします。(※写真)
※ステップ⑨写真
⑩ 冷蔵庫で2時間くらい冷やします。(急いでいる時は冷凍庫に30分でもOK)
⑪ 食べる前にココアパウダーをたっぷりかけます。
⑫ オリジナルティラミスの完成で~す♪(平野レミさん風)(※写真)
※完成写真♪
さあ、どうでしょう。夫の誕生日に出してみました。
夫がこのオリジナルティラミスを食べてみると、その目がまるで夜の蛍みたいにピカピカと光り、
「すっごく美味しいね!」
と、大絶賛のコメントを貰えました。今年は満足できるプレゼントを贈ることができて、作った私もとても嬉しかったです。
このコロナ禍の中で、おうち時間はどうしても長くなります。一つひとつの生活の瞬間を、自分らしく工夫しアレンジを加えることで、家族の笑顔を見ることができたら、とても幸せだと思いませんか?
プランナーの仕事も同じだと考えています。クライアント(家族)から与件(美味しいティラミスを作ること)をいただいた時、まずはクライアントの歴史やこだわり、プロジェクトの目指すビジョンに愛をもって勉強と理解(家族の好みとこだわりや、ティラミスを作るプロセスに対する理解)をしたうえで、優秀な事例や実績(他人のレシピ)を参考にしながら、自分オリジナルの企画(自分の直感と試み)を発想します。
何回も繰り返して練り上げていけば(いろいろな材料を組合せて、何回も作ってみれば)、最終的に、自分も納得できる、クライアントに寄り添った提案(家族が喜ぶティラミス)ができると思います。
皆さんもぜひ、自分らしい企画(自分らしいティラミス)を生み出してみてくださいね。
この記事は気に入りましたか?
- editor
-
自由思考プランナー
枠にとらわれない自由な発想