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- ノムログ編集部
長期的に愛される都市を形成するためのキーワードとして、シビックプライド(Civic Pride)が注目されています。シビックプライドの研究に実績がある読売広告社 都市生活研究所 所長の城 雄大さんたちをお招きし、乃村工藝社の渡会ちひろと大橋隆太がシビックプライドの現在地とこれからについてお話をお聞きしました。
シビックプライドとは?
シビックプライドの意味は、地域や自治体への住民の自負心や親愛の情、そして積極的な地域貢献の精神を総称する概念です。この言葉は、「市民・都市に属する」という意味合いの「Civic」と、「自尊心・誇り」という意味の「Pride」が融合して生まれました。
地域コミュニティの発展や魅力増進に大きく寄与し、住民間の連帯感を醸成するために不可欠です。住民が故郷への深い愛と誇りを抱くことで、人口流出の防止へと結びつく効果も期待できます。郷土愛や地元愛と相通じる部分はありますが、シビックプライドには市民としての権利と義務を自覚し、積極的に地域に関与する意志が含まれている点で異なります。
※「シビックプライド/CivicPride」は、株式会社読売広告社の登録商標です
城 雄大さん
株式会社読売広告社 都市生活研究所 所長
1999 年読売広告社入社。マーケティング局を経て、 2011 年より都市生活研究所に在籍。
主に地域の再開発に関するコンセプト開発 商品企画や商業施設の戦略プランニング、
また都市空間と生活者インサイトに関する研究開発案件などを担当。
小林亜也子さん
2005 年読売広告社入社。2008 年より都市生活研究所に在籍。街・エリアを基軸にした研究から、複合再開発・集合住宅・商業・ホテルなどの不動産領域を中心に、コンセプト開発、商品企画、マーケティング、コミュニケーションプランニングを担当し、複数案件でグッドデザイン賞を獲得。そのほか「次世代サードプレイス研究」「再生都市研究」「α世代研究」など、場と生活者に関する研究に積極的に取り組む。
山本直澄さん
株式会社読売広告社 ビジネスコンサルティング局 ビジネスプロデューサー
2000年読売広告社入社。営業として、不動産デベロッパー、商業施設、通信会社など様々な業種のクライアントを担当。昨年より、新組織にて広告・コミュニケーション領域以外のビジネス開発に携わる。
渡会ちひろ
乃村工藝社 プランニングディレクター
クリエイティブ本部 プランニングセンター 企画2部部長
大学・大学院で建築やまちづくりを学び、2007年乃村工藝社入社。以来、商業・集客施設のプランニングやリーシングを手掛ける。近年は都心部の大型複合商業開発や商業マスタープラン策定など、開発の川上段階から多くのプロジェクトに関与。
大橋隆太
乃村工藝社 プランナー
クリエイティブ本部 プランニングセンター 企画2部 第3ルーム ルームチーフ
2014年乃村工藝社入社。文化施設の展示プランナーを経て、まちづくり分野へと軸足を移す。
近年は公民連携事業の開発を軸としながら、都市部の大型複合施設開発や地方自治体のまちづくり計画を手掛けている。ヒューマンスケール&利用者目線が信条。
都市とシビックプライドの未来を探る
シビックプライドを育む都市生活研究所の役割
乃村工藝社
シビックプライドについてお話いただく前に、都市生活研究所についてお伺いできますか。
読売広告社
都市生活研究所は都市と生活者の関係をリサーチテーマとする読売広告社内部の研究開発部門です。広告業界の中で、都市をテーマとする研究部門は非常に珍しいと思います。
シビックプライドを核とした未来予測
読売広告社
私たちは”The future is already there in the city”という理念を掲げています。未来はある日突然やってくるのではなく、都市のそこかしこですでに始まっている、ということを示しています。街の中に芽生えつつある未来の種を探し出して皆さんと一緒に育てることを目指し、具体的には大きく二つの軸で研究をしています。ひとつは異なる都市それぞれが持っているインサイト研究です。本日のテーマであるシビックプライドを中心とした研究を行っています。もう一つは生活者研究です。Z世代やその下のα世代の研究などを行い、生活者意識の変化を見ています。これらの研究で新しい生活文化の創造に寄与したいと思っています。
α世代:2010年以降に生まれた世代。Z世代に続く世代で、ミレニアル世代(Y世代)の子どもにあたる世代。
シビックプライドとは何だろう
シビックプライドを再考する
乃村工藝社
乃村工藝社でもまちづくりに関連するお仕事の依頼が、ここ数年で増えています。その中でシビックプライドという概念が非常に重要であると感覚的には理解しているのですが、捉えどころが難しいとも感じています。あらためてシビックプライドとは何なのでしょうか?
シビックプライドの基本思想
読売広告社
2005年に始まって以来、私たちもメンバーとして活動しているシビックプライド研究会では、シビックプライドを「単なる自分の街に対する誇りではなく、一人ひとりがまちをよくするために関わっていこうとする当事者意識に基づく自負心」と整理しています。
当事者意識が根っこにあることが重要で、それがまちを良くする原動力になります。多様な活動がシビックプライドを原点に広がっていくことで、文化・社会・経済・環境や景観など幅広い領域で街の価値が向上し、まちのイメージも向上します。その結果、移住者を含む“定住人口”・観光などに訪れる“交流人口”・加えて「関係人口」も増加し、街のサステナビリティに繋がります。
「まちは人である」と私たちは表現しますが、シビックプライドはまちを作る基礎であると言えるのではないでしょうか。
関係人口:定住人口でもなく交流人口でもない、その地域と多様に関わる人々を指します。
課題や事例から振り返る
シビックプライドの出発地と現在地
乃村工藝社
2008年に書籍『シビックプライド』の初版が発行されてから14年が経とうとしています。シビックプライドに含まれる意味合いや見方に対する変化はあるのでしょうか。シビックプライドの現在地を教えてください。
読売広告社
シビックプライドの現在地を語るには、過去の経緯を紐解いておく必要があります。まず大事な視点として、シビックプライドの源流には都市間競争があるということです。シビックプライドのはじまりは、18世紀から19世紀前半のイギリスにさかのぼります。産業革命と農業革命により、都市部に人口が流入し、イギリスの各地で急激な都市化がおこり、急成長した各都市が産業や文化が競いあったことが、シビックプライドを強固にしていきました。
1970年代になると、ヨーロッパでは産業の国外流出や産業構造の変化がおこり、都市の活力が失われていくのに対して、都市再生の機運が高まってゆきました。その時には、それまでのように政治家・行政・都市計画家だけでまちづくりを考えるのではなく、多彩なアイデアと技能を持った新しいプレイヤー…たとえばアーティストや民間企業、NPOなどを巻き込んだまちづくりへと向かい、「みんなで自分たちの街を考える」ための機運づくり・キッカケづくりとしてシビックプライドの重要性が再注目されました。まちづくりにおいて、ハード以上にソフト面での都市再生が重視され始めたのはこのころかもしれません。
そして現在に目を移すと、コロナ禍で一気に露呈した感がありますが、国や行政、大企業に頼れない時代がきていて、市民一人ひとりが自分たちの力を合わせて課題を解決しなければならない時代になったことが10年、20年前と比べて大きく変わったポイントではないでしょうか。
今までのシビックプライドの文脈では、共に都市を盛り上げてゆく新しいプレイヤー(New player)として市民の一部が行政やNPOの仲間入りを果たす…という位置づけでした。しかし、これからの時代は、都市生活を「再発明」し、新たな都市の魅力を具体的に形作ってゆく主役(Key player)へと発展しています。また、これまでのシビックプライドの期待領域が他の都市との競争に打ち勝つことだったのに対して、自分たちの都市が自分たちらしくサステナブルであるためには、どこにプライドを持って、どこに創意工夫をするかという方向に人々のモチベーションがシフトしつつあると私は感じています。
農業革命:18世紀後半イギリスで産業革命と平行して起こった輪作と農地囲い込みによる農業生産の向上とそれに伴う農村社会の構造変化。同様の現象が同時期の西ヨーロッパ全域で起こった。
シビックプライドの象徴 イギリスのシーズ市
イギリスのリーズ市の市庁舎(1858年竣工)
その当時の多くの市民の寄付で作られた。シビックプライドの象徴と謳われている。
建物の立派さに往時のシビックプライドが現れている。
シビックプライドの実例 都市プロモーション「I amsterdam」
都市プロモーション「 I amsterdam 」
2003年にアムステルダムが行った「 I amsterdam 」は、
市民と都市を結びつけることを第一の目的としている。
1970年以降の都市再生のありかたが見て取れる。
ヨーロッパ視察から見えたシビックプライドの事例
乃村工藝社
ところで、城さんは22年末にヨーロッパに視察に行かれたそうですね。いかがでしたか?各国ごとにシビックプライドの違いはあるのでしょうか。
読売広告社
数都市を視察した中で印象深かったのは、ドイツ・ベルリンです。建築家を中心とした市民グループーにより自然環境を学ぶ学校「フローティングユニバーシティベルリン(Floating University Berlin)」がDIYで立ち上げられていました。自然学習のほかにも、エディブルガーデン(Edible Garden)など、様々なトライアルが実践されていて、都市の暮らしが市民主導で再発明されています。
イタリアのボローニャでは、都市の様々な取組みを行う「アーバン・イノベーション財団(Fondazione Innovazione urbana)」が印象に残ります。若いスタッフを軸として、大きな計画を掲げるのではなく市民を巻き込んで小さなトライ&エラーを繰り返す実験的なまちづくりが進められていました。まさしくタクティカルアーバニズム(Tactical Urbanism)の実践場で、学生の積極的な参加も特徴的でした。
エディブルガーデン(Edible Garden):直訳すると「食べられる庭」という意味。野菜やハーブ、果樹など食べられる植物を主体に植えられたガーデンのこと。
タクティカルアーバニズム(Tactical Urbanism):米国の都市建築デザイン事務所「Street Plans」を主宰するマイク・ライドンによって提唱された概念。世界的な広がりを見せる市民主導の都市改善運動、またその方法論。実装とフィードバックを繰り返し、アウトプットを洗練させていきます。
乃村工藝社
二つの事例とも市民主導で都市に関与する点において、新しいシビックプライドのあり方が表れているのですね。与えられた役割を担うNew playerではなく、仮に小さく始まったとしても主軸を担うKey playerとして市民の存在感を強く感じます。
シビックプライド醸成のためのリーダーシップは誰の手にあるのか
乃村工藝社
ではここから、シビックプライドについて両社で意見交換をさせてください。市民がkey playerとなって都市のシビックプライドを醸成するときに、行政や企業はどのように関わるべきだと思いますか?
読売広告社
海外事例を研究すると、国によって行政や企業の関わり方が多彩なことがよく分かります。
たとえばドイツ。ドイツにはフェラインという市民参加組織があり、市民側の声が非常に強いのが特徴です。仮に“街にサッカーをする場所がもっと欲しい”という市民要望があれば、フェラインが主体的に運用計画や事業計画を立てて企業に寄付を求めに動きますし、企業側も戦略的に投資するという文化があります。
一方でフィンランドはある意味ドイツの真逆、行政に大きな力があります。フィンランドの都市計画部局のメンバーにはコンサルタントレベルの専門家が揃っていますし、また計画を決定する過程での情報開示・市民からの意見募集・その意見に対するフィードバックといったプロセスデザインが相当丁寧です。ゆえに行政が主導するものに対し、市民が高い信頼感を持って参画できるといった構図が生まれているように思います。
乃村工藝社
市民と行政、主導権のあり方が対照的な二つの事例ですね。
興味深いと思う一方で、日本ではいずれのあり方もフィットしないように感じます。日本の参考となるような国はあるのでしょうか?
読売広告社
イタリアは参考になるかも知れません。イタリアでは、日本で言う第三セクターのような組織がリーダーシップを取っています。市民でも行政でもないという意味では企業に近いとも捉えられる。最近、日本では企業が産官学民のリーダーシップを取る第三のカタチが適しているのではないか、と考えるようになりました。
乃村工藝社
デベロッパーのような民間企業が市民に強くコミットして、リーダーシップを担うといったイメージですか?
読売広告社
そうですね。企業が地域スケールの物事にコミットして果たしてどれほどのリターンやメリットがあるのか、という企業側の課題はもちろんあります。ただ地域で何かことを起こす際に、プロジェクトをマネジメントするための能力やスキルを持つのは、やはり民間企業だと思うのです。企業でも地域に対しての愛着やプライドは当然あるはず。企業がいかに地域に参加できるのか、その可能性を描くことをいつも考えています。
シビックプライド醸成のための補助線を引く
乃村工藝社
乃村工藝社も読売広告社も同じだと思うのですが、企業の一員として地域に入っていくときは、あくまでよそ者で、シビックプライド醸成の主体にはなりえない。関わり方が中途半端でいつも悩むのですが、御社はシビックプライドへの関わり方をどう整理されていますか。
読売広告社
確かに、企業としてフルコミットを続けるのは難しいですよね。だからこそ、自分たちが主体となって動くのではなく、シビックプライドにつながる多様な関係性をデザインする・市民が自走するための“補助線”を用意することを大切にしたいと思っています。
今の生活者(=市民)は、自分で選び取りたいという意識が強い一方、何をやってもいいですよと言われてもなかなかできないのが実情です。そのときに、私たちのような第三者的立場にいる企業が何本か補助線を引き、それとなく地域と主体的に関われる方へと誘導する、結果シビックプライドが醸成されるーこうした好循環が生まれる補助線を、いかにデザイン上手にデザインできるかが、私たちに求められていることだと思っています。
シビックプライド醸成で大切な “by C” の視点
読売広告社
コミュニケーション論ではB to Cという言葉がありますが、B with C(寄り添い型)という言葉もあります。今後はこれがさらに変化した “by C” 発想が求められていくと感じています。この場合のCはCustomer ではなくCivic になりますが。
当事者デザインを研究されている先生が、生活者とデザインの関係性をこう定義しています。「生活者を受け身なユーザーと捉えた “for User”、ユーザーではなくパートナーとして協働しデザインする “with People”、生活者が自ら学びながらデザインしていく“by Ourselves”」。
これからの時代のシビックプライド醸成は、“by Ourselves”に通じる”by C”ようにデザインしていくことが重要だと考えています。
海外事例でお話したフィンランドは行政の力がとても強いですが、要所々々で市民の意見をしっかり聞いて取り入れており、それも一つの“by C”だと思います。またドイツのように市民が自ら立ち上がるのも当然“by C”です。同じ“by C”でもそこには大きなグラデーションがあって、この地域はどの“by C”でいくのが最適解かと考えデザインする力が、私たちに求められているのではないでしょうか。
乃村工藝社
「当事者デザイン」、とても大事な視点だと気付かされました。
読売広告社
昔は“for Use”発想のCMでも人を動かせましたが、今は違います。一方通行のCMではなく、近くの信頼できる人がSNSに投稿したことの方が、よっぽど人を動かす力がありますよね。
信用・信頼できると思っている人の意見は、やはりパワーがある。先ほどフィンランドの話をしましたが、フィンランドの行政は信頼からなる“by C”のデザインが上手なのだと思います。行政の方々にインタビューすると、何十回も“信頼”というキーワードが登場します。信頼からなる“by C”のデザインを、意識的・無意識的に相当大事にされているような気がします。
シビックプライドとタクティカルアーバニズムの関係性
乃村工藝社
ここまで、シビックプライドの醸成には当事者性が鍵を握っている、それを引き出すためには補助線のデザインが大切であるというお話がありました。
ただ、当事者性を引き出すための補助線って、人によってバラバラですよね?地域の歴史に動かされる人もいれば、自然環境に動かされる人もいる。
読売広告社
確かにテーマやキーワードは本当にバラバラです。しかし共通しているのは、個々の実体験がシビックプライドの源泉になっていることだと思います。メディアを使ってメッセージを発信するのも大事ですが、多様な体験を受け止めるような場・リアルな体験に繋がるような場をつくるのが大切だと、社内でもいつも議論しています。
乃村工藝社
とはいえ、そうした“場”に人が来て当事者になってもらわないと走り始めないですよね。その“場”はどうあればよいのでしょうか?
読売広告社
最初は薄い補助線をたくさん引いておくのだと思います。乗っかる人が多い補助線を濃くして、そうでないものを消していくようなイメージです。
乃村工藝社
なるほど、タクティカルアーバニズムが思い浮かびました。
都市をフィールドに手探りで試行錯誤を繰り返し、共感してくれる人や未来のシビックプライドの萌芽が見えたプロジェクトを主軸にしていくということですね。タクティカルアーバニズムはシビックプライドの新しい発露なのかもしれませんね。
地域とシビックプライドを繋ぐ市民意識
市民意識は高まっている。開かれるべき都市へのチャネル。
読売広告社
今とあるプロジェクトで“地域の場づくり”をテーマにしたワークショップをやっています。その中には小学生も参加をしているのですが、大人の私たちが驚くほど社会課題に対する意識が高いのです。
未来を担う子どもたちは、何に対しても社会への眼差しが前提にあることを強く感じ、世の中が変わる兆しを実感しましたし、この子たちの想いを応援するのが私たちの役目なのだと思いました。
社会課題をビジネスイノベーションに繋げようとする機運が、どの企業でも高まっています。社会課題に取り組むのであれば、私たち企業は地域課題のレイヤーに注目することが大事だと思います。
地球レベルでの課題はもちろん大事ですが、生活者にとっては地域課題の方が身近なレイヤーですし、自分事として取組みやすい。
乃村工藝社
ただ地域課題の場合、特に私たちが関与すると「そのマーケットサイズだと割に合わない」ということになりがちですよね…
読売広告社
そうなのですよ。でも市民と会話する際には地域課題レイヤーの方が共通言語になりやすいのは事実です。その粒度で私たちがいかに効果的・効率的に動ける座組をつくれるのかが、いつも課題です。
企業の新規事業って色々な方針がありますよね。事業規模の大きさが注視されがちですが、小さくてもどんどんトライしてダメだったら次!を繰りかえす方が何かが生まれる可能性もある。
小さく産んで大きく育てると思わないと、どうしても一個目が動き出しませんよね。地域スケールの課題にも可能性がたくさんあると思っています。
シビックプライドを軸に考える空間デザインの進化
空間デザインとシビックプライドの広がり
乃村工藝社
空間の仕事に日々携わっているわけですが、最近常々感じるのは、空間の設計が目指すところが変わっているということです。かつては、物理的な空間をどう整えるかが設計のフォーカスだったのに対して、最近では、人の関わりを設計することへと向かっているように思います。つまり、関与をデザインする方向性に向かっている。今日のお話を聞いていると、シビックプライドも我々の仕事も、社会的な潮流の中において同じ方向性を向いていると感じました。
読売広告社
誰かが強い意図をもってゴール -都市のイメージ- を作り込むのではなく、ゴールに向けた補助線は示すけれど、そこに乗って作りあげていくのは市民の手に委ねられている。そう考えると、同じかもしれませんね。
私たちもそうしたパートナーシップの一員として、みんなと一緒に悩みながら色々なトライアルができると良いなと常に思っています。
乃村工藝社
先ほどご紹介のあった小学生のお話を思い返すと、「関わり」という潮流はより一層強くなりそうです。より積極的に社会にコミットする世代が社会の中心を担ったとき、関わりを持てない空間や、ないしは関わりを持とうとしない企業は淘汰されそうな気がします。小学生が大人になるまでわずか10年くらいでその変化が起こると思うと、我々は「関わる」ということにより意識的にならざるを得ないと強く危機感を覚えた次第です。この危機感の広がりとともに、企業のシビックプライドへの関わりも広がっていきそうです。我々も都市生活者の一員として、トライアルを重ねていければと思います。引き続きよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
編集:渡会ちひろ、大橋隆太
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