ノムログ編集部オリジナル企画|新・空間歳時記をつくるvol.1 次世代のお花見-考察編-

神田 紗織
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神田 紗織

ノムログ編集部員の神田です。
私は主に記事のスケジュールを確認(締切が近づくとお尻を叩く係)したり、アクセス解析を担当しています。
まさか私に執筆作業が回ってくるなんて思いもよらず…しかし、「こういうのは鮮度が大事だから!」と他の編集部員からの声もあり早速始めていきたいと思います。(開催から1ヶ月以上経過してますけどね)
本シリーズの企画編はこちら、実施編のオンライン花見をやってみましたはこちら

改めて、今回の「オンライン花見」のテーマは、日本の”花見“の起源を辿って実際にオンラインでやってみる!というもの。
そしてその上で設定した独自ルールは、以下です。

実際に開催した後、編集部にて考察された内容をまとめていきます。

 

本来の“花見”を知り、春を体感する。

「お花見しますよー」と言われると、桜の木の下にブルーシートで陣取り、美味しいお酒を飲み交わすといった言わばアウトドアな飲み会をイメージするのではないでしょうか。
しかし今回はテーマ選定にあたり、”花見”とはそもそもどういうもの、どういうことを言うのか、起源にまで立ち返って知識を深めることができました。
更に、桜を楽しむ環境づくりを各々準備することにより、桜をどう見るか(見せるか)を考え、リアルなお花見より桜が咲く景色を思い浮かべ、春の訪れを感じられたのではないかと思われます。

 

ただのオンライン飲み会ではない。

現在のコロナ禍の状況において、オンライン花見は珍しい行いではないかもしれません。
結局はオンライン飲み会でしょ?という声が聞こえてきそうですが、ここはあえて違います。と言っておきましょう。
オンライン飲み会は、基本的にスピーカーは一人であり、リアルな飲み会で出来るような方々での小さな音声会話が難しく、
マイクを離さない人がいたら最後、もはや動画を見ながら、あるいはラジオを聴きながらお酒を飲んでいるといった状態になってしまうこともあるのではないでしょうか。
今回は花見を楽しむための戦利品を準備・発表する、短歌を作って発表するといったミッションがありました。
それぞれに発表時間があり、思いの丈を披露することで、参加しているという感覚が強く持て、各々じっくりと向き合えたのだと思います。
また、発表のための準備時間にすでに花見が始まっており、みんながどんな反応をするのだろうとワクワク感も増したようでした。
そして結構重要なのでは、と感じた部分は100分という時間設定。
「飲みニケーション」の最適時間とも言われるだけあり、間延びした時間もなく、気づけばもう終わりか~くらいの気持ちでした。何事も程々に、少し足りないくらいの方がちょうど良いのかもしれません。

 

でも何か足りない。

春は感じられました。参加している感じは得られました。
ですが、同じ”場”を共有できているか、一体感を得られているか、という問いには「?」が浮かびます。
リアルなお花見で感じられる外の空気、草木の匂いや舞い散る花びら、あちらこちらで聞こえる会話の賑やかさ、ひいては帰り道での余韻。
画面の先には馴染みの顔があり、個々の生活が垣間見え、ちょっとしたお宅訪問のような目新しさも一つの楽しみではありましたが、”場”を共有していると感じるものにはどんな条件が必要なのでしょう。
今回のオンライン花見をノムログ編集部でやってみた結果としての考えはこうです。

A.    聴覚や視覚に同じ刺激を与える:オンラインでも可能
・同じBGMを流してみる(画面共有のように、BGM共有機能があると便利だな)
・同じ背景・トーンに合わせてみる
・同じ動画を見てみる(VR活用するとより良さそう)
・録画や画面キャプチャを見直してみる(余韻に浸れる、どころかさっき見逃したところまで見直せる。結婚式の撮って出しのようなエンドロールがあったり?)

B.    味覚と嗅覚を合わせる:用意次第ではオンラインでも可能
・同じ食べ物を食べてみる(同じテーブルの食べ物を食べている感覚になる?)

C.    物理的距離の補い方:オンラインでは不可?
・この追究は今後の歳時記企画を通じて、引き続き検証

いかがでしょうか。
これからの空間を考え、創っていく乃村工藝社の一員としてノムログ編集部のトライは続きます。
次回の新・空間歳時記をつくる、夏編はただいま編集部にて鋭意考案中ですので、
またチェックしていただけますと幸いです。

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神田 紗織

神田 紗織

部内取纏役

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