え?生産性を上げたい?はい、『IE』がおすすめです。

稲木 伸拓
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稲木 伸拓

みなさま、はじめまして。ノムラの稲木です。
突然ですが、私、スポーツジムに8年ほど通っています。
世間では、おなかまわりが、そろそろヤバいな…とか、ムキムキになりたい!とか、運動不足を解消したい!といった動機で通われている方が多いのではないでしょうか。

私が通う理由は、ズバリ「痩せたくない」から。

私の場合、普通に生活していると、なぜかカラダが筋肉や脂肪を落としていき、どんどん痩せていきます。痩せるのは大変といいますが、私にとっては、太るのが大変なわけです。
そんなことはさておき、誰もが一度は通おうかと考える(?)スポーツジムという空間についてIE的な視点を交えて少し考えたいと思います。

IE(インダストリアルエンジニアリング)って?

そもそもIEとは何か知っていますか?
IE=インターネットエクスプローラ?・・・いえいえ、今回は、違うIEになります(笑)
以前、私はとあるメーカーでIE技術を使った現場改善活動をしていたことがあります。
何かと時短やら生産性やらの重要性が問われる時代ということもあり、今では、私の思考のベースになっているかもしれません。

IEの定義【米国IE協会(AIIE=現IISE)】
「IEとは、人・モノ・設備の総合されたシステムの設計・改善・確立に関するもので、そのシステムから得られる結果を明確にし、予測し、かつ評価するために、工学的な解析・設計の原理や方法とともに、数学・物理学・社会科学の専門知識と技術とを利用する。」

結局、何かというと、
工学的なアプローチや科学的技法を用いて、その場(システム)を分析して、最適化を目指そう!
とするものです。経営工学や産業工学などと呼ばれることもあります。

ムリ、ムラ、ムダを省きましょう。

IEは、工場の現場で用いられることが多く、現場に存在するあらゆるムリ、ムラ、ムダを省くことにフォーカスします。誰がやっても、同じ所要時間、同じ品質になるように標準化・平準化を図り、生産性向上につなげる手法です。実際は、お金をかけずにコツコツ・チマチマ分析→実施→検証を繰り返していきます。関連するものに世界的に有名な「トヨタ生産方式」というものがあり、日本の製造業はIEに支えられていると勝手に感じております。

スポーツジムでの過ごし方あるあるを考えてみる。

ここからは、ジムと絡めて話をしたいと思います。ジムに行く目的は、マシンを使って筋トレをする人、走ったり泳いだりする人、ストレッチをする人などいろんな人がいますよね。
みんな一生懸命頑張っている!と思いきや、IE的な視点で見ると、ジムにはムダがたくさん潜んでいるのです。

さっそく、ジムでのもったいない過ごし方あるあるを見ていきましょう。

テレビを見る

ジムにはテレビが設置されているところが多いです。設備サービスの一環ではありますが、運動のペースを乱す要因になります。大事なところで、CMが流れる。もう少しだけ見よう、先が気になるな、あとちょっとだけ・・・と、結果無駄に長い休憩時間をとってしまうあるある。

はい、私もテレビよく見ちゃいます(笑)気付いたら番組の最後まで見ちゃったなんて失敗も(汗)。

音楽を聴く

ジムには音楽が流れていることが多いです。BGMとして、機能を果たしていれば問題はないのですが、好きな音楽が流れるとつい聞き入ってしまうなんてことも考えられます。
学生時代、私はスポーツジムでアルバイトしていたのですが、良かれと思って、みんなが好きな邦楽を流してあげようと勝手に館内BGMを切り替えたことがあります。すると、即座にスタッフが飛んできて「みんなの動きが止まるからやめなさい!」と、注意されたことがあります。みんなの集中力を奪おうとしていたのですね、みなさまごめんなさい・・・。

友人と話す

ジムは一人で通われている方も多いですが、友人と来られている方も多くいます。また、ジムでコミュニティが形成され、活発にコミュニケーションが行われることもよくあります。やっぱり、一人で運動するより、複数でコミュニケーションをとりながら運動ができると楽しいですよね。通うモチベーションにもつながります。しかし、会話が盛り上がり過ぎて、運動のペースが乱れる、集中力を低下させる要因になったりしている場面も見られます。ダイエットや筋トレ仲間の談笑は、実に楽しげな光景ですが、IE的にはムダが潜んでいるのです。

スマホをいじる

最近、一番多いのが「スマホをいじる」です。トレーニングに集中するために、スマホで音楽を聴く人がけっこういますが、スマホを操作する際に、メールが届いていて確認してしまう、友人からのメッセージに返信してしまう、ついつい運動とは関係ない情報を眺めてしまうなど、ムダな作業を意図せずさせられているなんて状況が散見されます。
はい、もちろん私も含めてです(汗)ジムにおいて、スマホは魔物なのです!

運動には、休憩も必要ですし、個人の目的が違いますので、一概にムダな作業とは言えないものもあります。しかし、生産性を高めるという目的においては、このような過ごし方は、ムダな作業として捉えることになります。

IEにおいて、稼働分析というものがあります。定めた期間をひたすら観察して、人や設備がどのような作業にどのくらい時間をかけているのかを明確にする手法です。
稼働分析では、作業を3つに分類して、分析することが一般的です。

・利益に直接結びつく作業=価値作業
・直接利益を生まないが、必要な作業=不随作業
・利益に結び付かない作業=ムダ作業

ジムでも価値作業を増やし、ムダ作業を減らすことが生産性アップに大事なわけです。

スポーツジムを筋肉・体力製造工場と捉えてみる。

ここで、ジム空間を「筋肉を製造する工場」、「体力を作り出す工場」として捉えてみます。
わたしたちは商品となり、マシンは各製造工程の生産機械となります。

『目的』:最短時間で最大の生産性(価値)を生み出すこと
『マシンのレイアウト』:生産ラインと捉え、動線上、最短距離でこなせる配置となります。
『トレーニングメニュー』:製造レシピとなり、どの工程(種目)をどのように(工数)こなすかを決定するものになります。
『トレーニングスタッフ』:製造工程を管理する作業員となり、機械の稼働率を高め、より価値の高い商品(筋肉や体力)を生み出せるように現場の補助作業をします。

こうなってくると、テレビや音楽、スマホは不要となり、自動車の生産ラインのごとくベルトコンベヤーにわたしたちは流され、各工程を経て、商品が完成していく(トレーニングをこなしていく)感じになってきます。淡々と商品が作られる工場みたいに捉えてしまうと、果たして、このジム楽しいのか?となりますが、生産性(価値)という点において、決められた時間で最大の価値を生み出すということにフォーカスしたときに、IE的な考え方は、運営する側・利用する側の両者にとって、ジムとはどうあるべきか、差別化するにはどうあるべきかのひとつのアプローチになるのではないかと思いました。

結局、楽しく続けていけるものでなくては意味がない!過ごし方なんて個人の自由じゃないか!と言われれば、元も子もないのですが、どうせ通うなら結果にコミットされたいですよね?(笑)
ジム空間に関わらず、ビジネスでもプライベートでも、自分にとって一番得たい価値にフォーカスして、空間のあり方やその場での行動を振り返ってみるとおもしろいかもしれません。

では、このあたりで失礼いたします。

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稲木 伸拓

稲木 伸拓

意外とおしゃべりな人
持ち味は話しにくそうに見せかけての話しやすさ。

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